好きだなんて言わなければよかった【完】
*不安<真生side>
真生side
――…
「あー、ちくしょ…なんで怒鳴ったりしたんだよ、オレは…」
部屋のベッドに横たわり、オレはポツリと、そう呟いた。
紗綾……声が震えてたよな
さっきの紗綾の声を思い出し、短いため息を溢す。
…心配してくれたのに、わざわざ気にかけてくれたのに…なんで、オレは、あんな対応をしてしまったのか。
「…っあぁ、くそっ」
そんな自分が腹立たしくて仕方がない。
…慎也なら、優しく接したんだろうな。
そう考えると、余計にむなしく感じた。