好きだなんて言わなければよかった【完】
「小夜子、泣いて…」
「な、泣いてないわよ!バカねぇ…グスッ…」
強がる小夜子だけど、目が潤んで、今にも涙が溢れそうだ。
私は、そんな小夜子を見て、思わず、クスリと、笑みをもらす。
だって、高校に入って今まで付き合ってきて小夜子の泣き顔を見るのは、はじめてだから。
小夜子は、見た目はウサギみたいに可愛いが、正直、かなりの負けず嫌い。
それは、
やられたら、100倍にしてやり返す
を、モットーに生きているといっても過言ではないほどで…。
実際、今まで、小夜子にちょっかいを出してきた女子たちは…ことごとくやり返され…今では、誰も彼女に逆らわなくなっているのだ。