好きだなんて言わなければよかった【完】
―――…
「えっと、住所ではこの辺りのはず…だよね…」
キョロキョロと、辺りを見回しながら私は、そう呟く。
確か、アパートって…美生さん言ってたっけ?
しかし、
それらしき建物が見つからず、私は、途方にくれた。
もしかして…迷った…のかな?
どうしよう…。この辺あんまり来たことないからよくわかんないし…。
そう思って、肩を落とした時、
「あれ?紗綾ちゃんだ?」
「…!慎也さんっ!!」
なんと、目の前には、驚いたように目を見開く慎也さんの姿があった。