好きだなんて言わなければよかった【完】
「こんなところで…何して…って…あ、もしかして、真生の家に行く途中だったりする?…で、道に迷っちゃってた感じ??」
ニヤリと、意地悪そうな笑みを浮かべ慎也さんはそう言い放つ。
なんだろ…この人…エスパーか?
あまりにも的確にビシッと今までの行動を当てられて、私は、驚きで目をしばたかせた。
「あはは、図星?よし、オレもちょうど今から真生の家行くつもりだったからさ、案内してあげる!実はさ、この辺、結構道が複雑でねー、迷いやすいんだよ」
そう言って、慎也さんは、私の腕を引っ張ると、
「ちょっ…慎也さん!?」
慌てる私にお構い無しで、細い裏道を進んでいく。