好きだなんて言わなければよかった【完】
「…と、とりあえずチャイムならします?」
「えー?いいよわざわざそんなことしなくても!どうせ、寝てるんだろうし、オレ鳴らしたことないよ?」
クスクスと、笑いながらそう言う慎也さんに、私は、苦笑いで返した。
すると、突然、
「…あ!そういえば、オレちょっとコンビニで買いたいものあったんだ!先に真生の家入っときなよ?10分くらいで戻るから」
そんなことを言い出す慎也さん。
「え!?し、慎也さん?ちょっとまっ…」
と、止める間もなく、上った時と同じ軽やかな足取りで階段を下りていってしまった。
嘘でしょ…?