好きだなんて言わなければよかった【完】
いや、聞きたくない!
そう思って、私がギュッと、手を握りしめた瞬間、
ガチャリ
「あれ?紗綾ちゃん?真生はどうしたの?」
手にコンビニのビニール袋を持った慎也さんがキョトンとした表情を浮かべて立っていた。
リビングで立ちすくむ私を不思議そうに見つめる。
そして、
私の視線の先にあるもう1つの部屋を横目で見ると、
バンッ
ツカツカと、その部屋まで歩き、思い切り部屋のドアを開けた。