好きだなんて言わなければよかった【完】
そのことを思い出すだけで、内心、ため息をつきたい気持ちでいっぱいになる。
…なんで、オレ、こんな女とつきあってたんだろ…
と、今更ながら後悔していた時だった。
バンッ
突然、勢いよく部屋の扉が開いたかと思ったら…
「…っ真生、てめーふざけんなよ!」
そう叫んで、オレを睨み付ける慎也の姿が目に入ってきた。
「は?慎也…何勝手に部屋に入ってんだよ…」
つか、どうやって入ったんだよ?鍵、閉めてたのに…
オレがそう尋ねたのとほぼ、同時に空気の読めない明美が、
「いきなりなに?…慎也くん今日は、私が真生と約束してるんだからね!」
そんな声をあげる。
…けど、
「おい、真生…お前、自分が何してるかわかってんのかよ!」
慎也は、明美を無視してオレをすごい剣幕で怒鳴り付けた。