好きだなんて言わなければよかった【完】


そのことを思い出すだけで、内心、ため息をつきたい気持ちでいっぱいになる。




…なんで、オレ、こんな女とつきあってたんだろ…




と、今更ながら後悔していた時だった。




バンッ



突然、勢いよく部屋の扉が開いたかと思ったら…





「…っ真生、てめーふざけんなよ!」




そう叫んで、オレを睨み付ける慎也の姿が目に入ってきた。




「は?慎也…何勝手に部屋に入ってんだよ…」



つか、どうやって入ったんだよ?鍵、閉めてたのに…





オレがそう尋ねたのとほぼ、同時に空気の読めない明美が、




「いきなりなに?…慎也くん今日は、私が真生と約束してるんだからね!」



そんな声をあげる。




…けど、




「おい、真生…お前、自分が何してるかわかってんのかよ!」




慎也は、明美を無視してオレをすごい剣幕で怒鳴り付けた。




< 160 / 404 >

この作品をシェア

pagetop