好きだなんて言わなければよかった【完】


私がそう言うのを確認した途端、安心したように慎也さんが肩を落とし、



「…そっか。オレさ、あの時、めっちゃ頭に血がのぼっちゃってて…冷静な判断とかできてなかったんじゃないかって…もしかしたら、紗綾ちゃん真生といろいろ話したいこととかあったかもしれないのに…勝手に連れ出しちゃったからさ…」




申し訳なさそうにそう呟いた。





…慎也さん、それ考えて…あんなに難しい顔してたんだ…





「たぶん、私あの時慎也さんがいてくれなきゃ、何もできなかったと思います。それに…、あんなに真剣に怒ってくれて嬉しかったです」




そう言って、私は、軽く笑みを浮かべる。





「……」



「慎也さん?」



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