好きだなんて言わなければよかった【完】
*決心<慎也side>
慎也side
あぁ…とうとう言ってしまった
紗綾ちゃんを無事に家まで送り届けた後、
オレは、さっきの紗綾ちゃんへの告白について考えていた。
…最初は、言うつもりなんか、本当になかった。
紗綾ちゃんを困らせたくなかったし、彼女が幸せになれるなら相手は誰でもいいって…自分じゃなくてもいいって思っていた…のに、
「…ったく、アイツは一体何考えてんだよ…」
オレは、ポツリとそう呟いて肩を落とす。
紗綾ちゃんの泣いている姿を見て、どうしようもなく胸が苦しくなった。
それと、同時に、“アイツ”に心底ムカついた。