好きだなんて言わなければよかった【完】
*元カノ
―――…
それは、慎也さんから告白されて…
そして、真生くんの家に行った日から数日が経った、
放課後の帰り道でのことだった。
「…えぇーっ!?じゃあ、あのナンパの…じゃなかった、慎也さんから告白されたの!?」
「……うん、まぁ…ね」
キラキラと、目を輝かせる小夜子に対し、苦笑いを浮かべながらも私は、そう呟いた。
「へー、案外やるんだ〜あの人。で、紗綾はどう思ったの?やっぱり、真生さんよりも好きになれないのぉ〜?」
キャッ、キャッと、ワクワクしたようにそう言う彼女は、いつになく楽しそうに見える。
けど、
そんな小夜子とは裏腹に私の気持ちはまだ沈んだままだった。