好きだなんて言わなければよかった【完】
私は、そのお姉さんの言葉を思い出し、思わず肩を落とし、
「…私、今年の夏は、たぶん外に出ない…かも」
そんな弱音を溢した。
すると、
「えぇー!?何言ってんの!!夏といえば、海に、キャンプにお祭りでしょ〜?出会いの季節なのに!」
驚いたようにそう言い放ち、小夜子は、私の肩を勢いよく揺さぶった。
…うっ、なんか、本当に気持ち悪い
ゆさゆさと、前に後ろに体を揺さぶる小夜子のせいで、ますます気分が悪くなる。
「わ、わかったから、ちょっと落ち着いて…」
そう言って、小夜子を止めようとした時だった。
「…ちょっとあんた、この前、真生の家に慎也くんと一緒にいた子だよね!?」
そんな声が聞こえ、突然、腕を捕まれたのは……。