好きだなんて言わなければよかった【完】
「…キャッ」
あまりに突然の出来事で、私は、思わず短い悲鳴を漏らす。
「覚えてるでしょ?私の顔。実は、あんたに聞きたいことあったの。こんなところで会えるなんて思わなかったけどさ、っつーわけで、少し時間欲しいんだけど?」
そんな言葉におそるおそる顔を上げると、
目の前に立っていたのは、確かにこの前、真生くんの部屋にいた女の人だった。
茶色よりも金に近い長い髪に、
少し派手なメイク。
ピッタリとした服は、女の人のスタイルの良さをあらわしている。
「私は、明美。藤宮明美。真生と同じ大学。んで、元カノ」