好きだなんて言わなければよかった【完】
「…え…?」
あまりにも予想外な言葉に私は、目を見開く。
…え?でも、え!?
そんな私を見て、
「あはは、やっぱり、心配だった?真生とは、一応きちんと別れてるし未練とかないよー?私、彼氏いるし?」
ケラケラと、愉快そうに笑う彼女に私は、呆気にとられることしかできないでいた。
「…まぁ、確かに…この前は、ちょっと悪かったかなーって、思っててさぁ…実は、あの時、彼氏が浮気してるって思ってて…かなりイライラしててさ〜しかも、かなり飲んでたのよ…お酒」
ハァ…と、ため息をこぼし、明美さんは、軽く肩を落とす。
「…で、でも…キス…」
「…うん、だから…ゴメンね。軽い気持ちだったから。…あの時は、ふと、真生の顔が浮かんで押し掛けちゃった感じで…真生、来るもの拒まず、去るもの追わずって感じだったし…」
ズキン
明美さんのその言葉に私は思わず、ギュッと、手を握りしめる。