好きだなんて言わなければよかった【完】
「…っはぁ…本当は、応援する気なんてこれっぽっちも思ってなかったのになぁ」
私の調子を狂わせたのは、まぎれもなく紗綾ちゃん。
「ま、自分からはじめて好きになった人が幸せになれるならいいか…」
なんて、ポツリと、呟いた途端、自然に笑みがこぼれていた。
私も、丸くなったな…
紗綾ちゃんたちぐらいの年齢だった頃の自分を思い返すと、まだ、たった3年ほどしか経っていないはずなのに、随分昔の気がする。
怖いもの知らずで、強がりで、無鉄砲…カッコいい男の子を見つけたらすかさずアピールしてたあの頃の自分。
うわぁ…思い出すとイロイロ痛かったかも、私…。
そう思いながら、私は、軽く肩を落とす。
大人のようでまだまだ子どもだった自分を思い出しながら…。
明美side*end*