好きだなんて言わなければよかった【完】
これ以上してもらうのは、申し訳なさすぎる!
そう思った私は、
「…ありがと、でも、大丈夫。あ、ポップコーンとかは、私が買うからね。チケットは、旭が出してくれたんだから!旭はキャラメルだよね?飲み物は、コーラでいいんでしょ?」
にこやかにそう言い放つ。
「……、はい」
さすが、弟。
私が1度言ったら、有無を言わせないことをよくわかっている。
「じゃ、買ってくるから、ここで待ってるんだよー!」
私は、それだけ言い残して、旭に背を向け、売り場に向かって歩き出す。
その後ろで、
「……なんだよ、思ってたより元気じゃん」
そう呟いて、軽く肩を落とす旭には気づいていなかった。