好きだなんて言わなければよかった【完】
*過去Ⅰ
――…
私(篠崎紗綾)が、3歳上の幼なじみ、
橘 真生(まお)のことを好きだって気づいたのは、たぶん小学校1年生。
その時、真生くんは4年生だった。
真生くんは、家がお向かいさんで、お母さん同士が仲がよかったためか、小さい頃からよく遊んでもらっていて…。
「紗綾(さあや)、ほら、学校行くぞ」
そう言って、小学校に上がったばかりの私にいつも、声をかけて、学校まで連れていってくれる真生くん。
そんな優しい真生くんが私は大好きだったんだ。