好きだなんて言わなければよかった【完】
「ねー、どこ行く?」
するりと、旭の腕に自分の腕をからませるギャルの女の子たち。
そんなギャルたちに向かって、私はなるべく声を大きくだしながら、
「あ、いたいた!もーどこに行ったかと思ったじゃん!ほら、ポップコーンとか買ってきたよ」
そう叫ぶ。
すると、
「……は?」
私の存在に気づいたギャルたちが、訝しげに眉をひそめた。
「ほら、映画始まっちゃうよ?はやく、行かないと…って、あれ?あーくん、お友達?」
さも、今、気づきましたと言わんばかりにギャル二人を見つめる私は、見せつけるように旭に自分の腕をからませた。