好きだなんて言わなければよかった【完】
「はじめまして、あーくんの彼女です」
そう言ってニコッと、優しく笑いかければ、二人からは笑顔が消える。
「っち、彼女もちかよ」
「あーなんか、萎えたわ、サッサと行こう」
さっきまでの可愛らしい態度から一変、私を睨み付けながら去っていく彼女たち。
「…わ、あれ全部演技かよ…」
と、後ろで疲れたように呟く旭は、軽く肩を落とし、私を見た。
「旭も、逆ナンされるんだねー、ビックリしたよ」
「いや、オレもビビった。だって、めっちゃ化粧濃いしさ…」
「あ…確かにあれはちょっとやり過ぎかもね…」
あの女の子二人組と比べれば、ちょっと派手だと思っていた明美さんのメイクもナチュラルに見える。