好きだなんて言わなければよかった【完】
「にしても、マジ、怖い。どっから、あんな高い声出せるわけ??つーか…なんか、クラスの女子もあんなん感じなのかと思うと…」
そう呟いて、頭を抱える旭。
「ま、まー…あれだね!人生いろいろ経験しなくちゃね、うん!あはは…」
姉として、弟をフォローしようとしてみたが、なかなか良い言葉も思い浮かばない。
…結局は、笑ってごまかすような結果に終わってしまった。
な、なんか旭落ち込んでるし…とりあえず、なんか話題振らないと…
そう思って、なんとか場の空気を変えようと、頑張る私は、
「そ、そんなことよりさ!映画もうすぐだし、そろそろ移動しないと」
「…ちょっ、姉ちゃんいきなり引っ張んなよ!」
ガシッと、旭の腕を掴み、半ば強引に引きずった。