好きだなんて言わなければよかった【完】
具合でも悪いのかと心配してたのが嘘のように、元気な慎也さんを見て、私は、ホッと胸を撫で下ろした。
「それにしても慎也さん、1人で映画ですか?」
「…え、いや…ちょっとねー、見たいのがあったんだけどさ、周りの奴ら怖がって“絶対、行きたくない”ってゆーの」
言いにくそうに苦笑い気味で慎也さんは、呟く。
「…もしかして、“影首縛り”ですか?」
「…!!そう、そう!めっちゃ、怖いって言ってたから気になって…てか、もしかして…」
「はい!私たちもそれを見にきたんです!」