好きだなんて言わなければよかった【完】
チラリと、紗綾ちゃんたちが座っている席の方を見ると、スクリーンに釘付けになっている彼女の姿が目に入ってきた。
いつもはおとなしい印象の紗綾ちゃんの無邪気な様子に、自然と顔がほころぶ。
本当にホラー好きなんだなぁ。
…かなり、意外だったけど。
それに、オレがホラー好きって知った瞬間、紗綾ちゃんがあまりにも無防備に笑うから、
一瞬、言葉を失った。
…ったく、かわいすぎだろ。
オレが、一人の女の子に…しかも、3歳も年下の女の子に、ここまでハマるなんて…、昔のオレだったら絶対に、ありえなかっただろう。