好きだなんて言わなければよかった【完】
というか、実は正直、もうちょっと怖いと思っていたんだよね…。
拍子抜けというほどではないものの、少しだけ期待を裏切られたといった感じ。
「…あれ?そういえば、慎也さんは…?」
私は、ポツリとそう呟くと、辺りをキョロキョロ見渡してみる。
…確かに劇場内の席は、離れてはいたけど、まだ姿を見ていないのは変だよね。
私と旭が出たの最後らへんだったからもう帰っちゃったのかな?
そう思うと、ほんのちょっとだけ、残念な気持ちになる。
どうせなら、この映画の感想とか聞きたかったんだけどなぁ。
旭は、最後のほうは、寝てたらしいから、ちゃんと見てなかっただろうし。