好きだなんて言わなければよかった【完】


突然の出来事に驚きを隠せない私は、ポカンとした表情を浮かべたまま固まってしまった。



そんな私をよそに、




「…あー、別にいいっすけど…んじゃ、姉ちゃん。オレ、先に帰るから」



「…ちょ、旭!?」



旭は、それだけ言い残すと、ヒラヒラ手を振りながらサッサと帰って行く。




私が呼びとめたのも聞こえていないのか、気にせず、歩みを進め、



そして、すぐに人混みに紛れて姿が見えなくなってしまった。





な、なんで置いてくのよー!?
旭のバカ!!




なんて、心の中で毒づきながらも、私の思考の大半は、慎也さんのことでいっぱいだった。




なんで、突然…2人にしてだなんていったんだろう…。




< 224 / 404 >

この作品をシェア

pagetop