好きだなんて言わなければよかった【完】
姉ちゃん…そんな所に行っちゃったら、真生兄ちゃんに、会えなくなるのに。
小さいながら、姉ちゃんの気持ちに薄々感づいていたオレ。
…だけど、その当時、そんなことを姉ちゃんに聞けるはずもない。
「まぁ!紗綾がその気なら応援するわ!!」
なんて、言いながら、母さんたちは、かなり喜んでいたから余計言い出しずらかった。
「うん。頑張るね」
姉ちゃんも笑顔でそう言ってはいたけど、オレには、心から笑っているようには見えなくて…。
真生さんと姉ちゃんのことをかなり、気にかけていたのを覚えている。