好きだなんて言わなければよかった【完】


あれから、たった1年しか経ってないはずなのに、なんだか、もう数年前のことのように感じる。



…もう、無理なんだ


前みたいに笑いあえる日なんて来ないのかもしれない…。




さすがのオレも諦めかけて、そう思い始めていた冬休みのある日のこと。




1度だけ、真生さんが家を訪ねてきたことがあった。





……あの日は、今でも鮮明に覚えている。




その日は、朝から雪が降っていて、いつもならすぐに外へ遊びに行くオレもなんとなく気が進まずに家でゲームをしていた。




姉ちゃんは、勉強するからと言って、ほとんど自分の部屋から降りてこないし、



お母さんは、買い物に行ってしまったので、リビングにいたのは、オレだけ。




暇だなー




そう思いつつ、大きく伸びをした時、




ピンポン、ピンポーン




家のチャイムが鳴った。




< 245 / 404 >

この作品をシェア

pagetop