好きだなんて言わなければよかった【完】



お母さん、帰ってきたのかな…?


もう1度、伸びをして、オレは、おもむろに立ち上がる。



その時は、“どうせ、お母さんだろう”そう思って、たかをくくっていたのだが…、




「…お母さん?なんで、わざわざチャイムなんか……」




ブツブツと、文句を言いながらも、律儀に玄関のドアを開けるオレ。




しかし、目に入ってきた人物を見て、思わずカチンと、固まった。



だって…目の前に立っていたのは、



「…よぅ、旭、久しぶりだな〜、なんか、ちょっと見ない間に背伸びた?」




前と変わらず、気さくな笑みを浮かべた、真生兄ちゃんだったから。



< 246 / 404 >

この作品をシェア

pagetop