好きだなんて言わなければよかった【完】
それは、旭からで…。
…旭…か…。
少しだけ、ホッとしたような、残念なような…曖昧な気持ちが沸き起こった。
あぁ、今、オレは…誰を期待してたのか…、かかってくるはずなんかないのに…な。
フッと、自嘲的な笑みが溢れる。
当たり前だ。あれだけ、傷付けたんだ。それに、もしかしたら…あのまま慎也と…。
…っ。
「…もしもし」
オレは、そんな考えを追い払うように、旭からの着信に出た。