好きだなんて言わなければよかった【完】
「あ、真生さん?」
電話に出たのは、オレが知っていた頃より、だいぶ大人になった旭の声。
「…あぁ、久しぶりだな」
「…うん。この前、真生さんが帰ってきた時、会いたかったけど、部活が忙しくて会えなかったし……」
「…そうか。部活大変だろ?頑張れよ」
オレがそう言うと、旭は、嬉しそうに“うん”と、答えた。
「…で、今日はどうかしたのか?今まで、お前から連絡なんてあったことなかったし…何か言いたいことあるんだろ?」
旭にオレの番号を教えたのは、3年前。
旭が中学に入学して、携帯を買ってもらった時だ。