好きだなんて言わなければよかった【完】


その時、たまたま家に帰ってきていたオレは、はじめて買ってもらった真新しい携帯を嬉しそうに持ってきた旭に、



“困ったことがあったらいつでも連絡しろよ?”



そう言って、オレの番号を教えた。




…それから、3年、旭がオレに電話をかけてきたことは、一度もない。



つまり、今日がはじめてなのだ。




「…はは、やっぱりわかっちゃった…?」




旭は、オレの言葉に、慌てる風もなく、楽しそうにそう答える。




「…当たり前、旭がオレに電話するなんて…相当大切な用事なんだろ?」




「…うーん、まぁね。…じゃあ、単刀直入に言わせてもらうけど、真生さん、姉ちゃんと何かあった??…いや、本当は5年前の時のこと聞きたいくらいだけどさ…」




「……」




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