好きだなんて言わなければよかった【完】
そして、
そう決めた日から、私は変わった。
まず、あれだけ、通っていた真生くんの家にいくのをやめた。
でも、さすがにいきなり行かなくなったら、周りから変に思われるだろうと考えた私は、ある名目をつくることにしたんだ。
それは、
“隣町にある全寮制の私立中学に行きたい”
というもの。
隣町の私立中学といえば、ここらでは、かなり難関と言われていたから、両親は、二つ返事で了承してくれたし、
美生さんにも簡単な説明ですんだ。
「そっかぁ、紗綾ちゃんにあまり会えなくなるのは残念だけど…仕方がないわね、紗綾ちゃんが決めたんならおばさんも応援するからね!頑張って」
そう言って、優しく微笑みを浮かべた美生さんの顔は今でも忘れられない。