好きだなんて言わなければよかった【完】
ドクン
心臓が大きく脈打つのを感じた。あまりにもストレートな旭の言葉がオレの頭の中を支配する。
「……オレが言いたかったのそれだけだから。後は、オレが口出すことじゃないと思うし…真生さん、姉ちゃんもう泣かせないでやって…じゃ」
ツーツー…
無機質な電子音を聞きながらオレは、スマホをソッと耳から外してベッドの脇においた。
…っ、いいわけねーだろ
“真生さんの大学の友達”
そう言っていた旭の言葉を思い出した。
…慎也のことだよな…
オレは、ギュッと手を握りしめ、軽く息を吐く。