好きだなんて言わなければよかった【完】
付き合った人数でいえば、慎也はオレの倍以上。
それに長くても半年、短くて二週間と、なかなか期限が短いものが多い。
端から見れば、女好きのチャラ男だと思われるだろう。
というか実際、オレ自身そう思っていた時期があった。
「…お前さ、アリサちゃんと別れたってマジ?確かまだ、二週間経ってないよな…」
慎也と仲良くなったばかりの頃、一度だけそんな話題を振ったオレ。
「バーカ!二週間は、経ってるっつの」
ケラケラと、笑いながらそう言う慎也。
「いやいや、そーゆー問題じゃねーだろ…」
「…つか、今は、ミサちゃんと付き合ってるって言ってなかった?」
「…初耳だよ」