好きだなんて言わなければよかった【完】

…つか、ミサちゃんて誰だよ!!



慎也の恋愛話を聞かされるたびに、知らない女の名前が出てくることに内心呆れていた。



“いつか、女から刺されるんじゃないか”





…そんな心配をしたのも一度や二度ではない。





けど…、不思議なことに、慎也と仲良くなってから随分時間が経ったというのに、アイツが女関係のトラブルに巻き込まれたなんて話を聞くことは一回もなかった。



ちなみに、その間にオレは何度か面倒なことに巻き込まれたのだが…。









「…あれ?真生くんじゃーん!!久しぶりぃ」




…あぁ、確か慎也の…マミちゃんだったけ…?




いつだったか、慎也の何番目かの元カノに、偶然、出くわしたことがある。




「…久しぶり」



「偶然だね~、まさか真生くんに会うなんてマナ、ビックリ!!」




キャハハと、甲高い声で笑うマミ…いや、マナにオレは苦笑いを浮かべる。




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