好きだなんて言わなければよかった【完】
*教室
──………
「……えっ!?慎也さんとデート行くことになった~!?」
「…う、うん」
キーンとした小夜子の甲高い声が教室内に響き渡り、私は、思わず苦笑いを浮かべた。
「…な、なんで??マジ??いつのまに、そんなことになっちゃってんの!!」
慌てたようにパチパチと、目をしばたかせる小夜子。
「…うん…この前、旭と映画に行った時、たまたま慎也さんと会って…」
そんな彼女に対して、もごもごと、口ごもる私。
「…ねぇ、紗綾、私は、あんたが決めたことなら口出しする気はないよ。ないけど…」
そこまで言うと、彼女は、口を閉ざした。