好きだなんて言わなければよかった【完】


そんな日々が続いて、1ヶ月近くが経った頃、




一度だけ、たった一度だけ、真生くんが私を訪ねてきたことがあった。




もちろん、受験まであと少しだから、私はそう言って真生くんに会うことはしなかった、




…が、




「ねーちゃん、これ、真生くんからねーちゃんにって」




そう言って部屋に入ってきた旭が私に渡してきたのは、



学業成就とかかれた、御守り



だった。




それを見た瞬間、私は、




「…っ、そんなのいらない!!!もう、忙しいから部屋に入ってこないで!」




そう叫ぶと、無理矢理旭を部屋から追い出す。




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