好きだなんて言わなければよかった【完】
「へぇ~。そっか!!じゃあ、今度食べるときは、苺にしてみるよ」
「はい!絶対美味しいですよ!!」
ようやくそんな、ありきたりな会話ができて内心ホッと胸をなで下ろした私。
すると、
「アイス食べた後は、どうする??紗綾ちゃん、行きたいところとかあったりする??」
「…行きたいところ…特には…」
「じゃあ、オレのオススメの場所行かない?」
ニコリと、笑みを浮かべる慎也さんにつられて、私は素直に頷く。
「紗綾ちゃんも絶対気に入ると思う」
「…え」
そんな気になる言葉を残すと、私の手を握りしめ、
「まずは、アイス、ね?」
まるでイタズラを企んでいる子どものような表情で私を見つめた。