好きだなんて言わなければよかった【完】
遠慮がちにそう言うと、
「…小夜子さん!!お久しぶりです!」
礼儀正しく挨拶してくれる旭くん。
「…うん、久しぶり。てか電話してくるなんてビックリしたよ!どうしたの?何か用事?」
「…あの、小夜子さんは、今日姉ちゃんがどこに行ってるか知ってます…よね…?」
何かを探るような口調で、紗綾の居場所を尋ねる旭くんになんともいえない違和感を感じた。
「…えっと、紗綾に用事なら、lineか電話で連絡とったほうがはやいと思うけど…」
「あ、姉ちゃんには、さっきからlineしてるんですけど、既読つかなくて…。ちょっと急ぎの用事だから小夜子さんなら知ってるかなと思って…」
「ふ~ん…そうなんだぁ…」