好きだなんて言わなければよかった【完】
*交錯
──……
「わぁ…これ、かわいい」
私は、雑貨屋の端で見つけたブレスレットを手にとって眺めた。
シンプルな作りだが、キラリと、光る花のチャームが可愛らしい。
いくらかな…?
そう思って、値段を見ると、高校生にとってはなかなかすんなりとは、出せない値段。
…う~ん…今日はやめとこう
名残惜しいが、そっと元あった場所に戻し、私はクルリと後ろを振り返った。
「紗綾ちゃん、もういいの?」
「あ、はい。今日は買うのやめとこうかなって。とりあえず、見るだけでも楽しいですし!こういう所来るの久しぶりで…」