好きだなんて言わなければよかった【完】
“目移りしちゃうんで、吟味してから買います!!”
そう呟くと、私は慎也さんに向かって笑みを浮かべる。
「慎也さんは、他に見たいお店ありますか?」
これ以上、私の買い物ばかりに付き合わせてしまって申し訳ないと思い、そう尋ねる私。
すると、
「オレは、特にないから……じゃあ、そろそろオススメの場所行く?」
「あ、はい!…でも、オススメの場所って、どこなんですか?」
「場所的には、ここから歩いて15分くらいかな~」
「…15分ですか」
「そ。15分!」
慎也さんは、楽しそうに微笑むと、軽い足取りで歩き出す。