好きだなんて言わなければよかった【完】
そして、私が2年生になると、
真生くんは、5年生。
この時からだろうか。
真生くんが女の子たちの間で徐々に人気になっていったのは。
もともと顔もカッコいい真生くんは、やっぱり、同じ学年のどの男の子たちより目立っていて…。
「ねぇ、橘くんってよくない?」
「あー、わかる、わかる!」
なんて、キャッ、キャッと、楽しそうに話す5年生の女子たちを見かけることも、しばしば。
…けど、当時の私はさほど気にしてはいなかった。
たぶん、心のどこかで“真生くんは、私だけのもの!!”
そんな独占欲みたいな思いがあったんだと思う。