好きだなんて言わなければよかった【完】
唐突に浮かんだわりには、なぜか、その記憶に覚えがなかった。
…昔、夢で見たのかな?
小さい頃は、結構、真生くんと遊ぶ夢とか見てたしな…。
けど、それにしては、ハッキリしすぎてるような…?
私は、不思議に思って首を傾げる。
「紗綾ちゃん、どうかした??」
「あ、いえ。何でもないです。ちょっとこの景色に見覚えがあったような気がして…」
あはは、と、苦笑いを浮かべて私はそう答えた。
「へえ。そうなんだ?…じゃあ、もう……のか…」
「…え?」