好きだなんて言わなければよかった【完】
その声に、ハッとして顔を上げた。
「わぁ…!」
思わず、感嘆の声をあげる私。
目の前に見えたのは、小さな公園だった。
…こんな中心街の近くに公園なんてあったんだ…
ブランコ、シーソー、すべり台。
ジャングルジムに、鉄棒…。
小さい頃、夢中になって遊んだ遊具が全部ある。
「…こんな場所、駅の近くにあったんだ…」
「…え…来たことないの?」
「はい!だから、めっちゃ驚いてます」
何故か、少しだけ意外そうに言葉を漏らす慎也さんに向かって私は満面の笑みを向けた。