好きだなんて言わなければよかった【完】
…なんでだろう。急に…
慎也さんの話を聞いているだけなのに…。
未だに収まらない動悸に私は困惑して顔を歪めた。
「…紗綾ちゃん?…顔色悪いけど大丈夫?」
そんな私の様子に気づいた慎也さんが心配そうに顔を覗き込む。
「…少しベンチで休もうか?オレ、何か飲み物でも買ってくるよ」
「はい…ありがとうございます」
私は、そう呟くと、近くにあったベンチに腰を下ろした。
「じゃ、なんか買ってくるから」
慎也さんは、私がベンチに座ったのを見届けると、優しく微笑み、公園の外にある自販機に向かって足を進める。