好きだなんて言わなければよかった【完】


…はぁ、また慎也さんに迷惑かけちゃったな。



ベンチに座り、そんなことを考えながら、私は肩を落とした。



もう、これ以上、迷惑かけたくなかったんだけど…。
私のバカ。


なんでこんな時に限って具合悪くなるのよ?



自分自身に自己嫌悪を感じながら、ふと、顔を上げた時、なぜか、入り口近くにあるブランコに目がとまった。




…あの、ブランコ…なんか見覚えある…、





そう思い、ブランコをよく見ようと立ち上がった瞬間、




───…



『…ちゃん、おじさんとおいで?お家まで送ってあげよう』



ゾクリ



なに、今の…







< 306 / 404 >

この作品をシェア

pagetop