好きだなんて言わなければよかった【完】


懸命に私の名前を呼びながら、私の方に向かって走ってくる幼い彼。



…何をそんなに急いでいるの?



ズキッ



なんだか思い出そうとすると頭がひどく痛い。



それにしても、見覚えがあるような気がしたブランコといい、さっきの記憶といい…、




「…私、もしかしてこの公園知ってる…?」



心の中で呟いたつもりが、つい、口に出してしまった。





「…え?…やっぱりきたことあったんだ……そうだよね。うわーなんかめっちゃ恥ずかしい」



「…?どういう意味ですか?」




「実はさ、この場所最初に見つけたのオレじゃなくて…真生なんだ。てか、真生に教えてもらったんだよね…この公園…」




少しだけ苦笑い気味に、私にそう呟く慎也さん。



< 308 / 404 >

この作品をシェア

pagetop