好きだなんて言わなければよかった【完】
懸命に私の名前を呼びながら、私の方に向かって走ってくる幼い彼。
…何をそんなに急いでいるの?
ズキッ
なんだか思い出そうとすると頭がひどく痛い。
それにしても、見覚えがあるような気がしたブランコといい、さっきの記憶といい…、
「…私、もしかしてこの公園知ってる…?」
心の中で呟いたつもりが、つい、口に出してしまった。
「…え?…やっぱりきたことあったんだ……そうだよね。うわーなんかめっちゃ恥ずかしい」
「…?どういう意味ですか?」
「実はさ、この場所最初に見つけたのオレじゃなくて…真生なんだ。てか、真生に教えてもらったんだよね…この公園…」
少しだけ苦笑い気味に、私にそう呟く慎也さん。