好きだなんて言わなければよかった【完】
私の方なんか、振り向きもせずに一目散に友達の所へ行ってしまう真生くん。
…ずるい!!
さあやも行く!
その日は、もう我慢の限界で…私はこっそりと、真生くんたちの後をつけることにしたのだった。
──…
「…ここどこ?」
最初は、上手く尾行に成功していた私だったが、さすがに幼稚園児と小学生じゃ、歩く早さも全然違う。
駅の近くまで来たところでとうとう真生くんたちを見失ってしまったのだった。
…どうしよう…帰り道もよくわかんなくなっちゃった
普段、母親とよく行く駅の賑やかな通り。
見覚えのあるお店はいくつかあったが、帰る時、どの道を通っていたのかなんて、さっぱり記憶になかった。
泣きそうになるのをぐっとこらえて、私はひたすら歩く。