好きだなんて言わなければよかった【完】
でも、肝心の真生くんたちの姿はもう見えない。
…あ、子どもは、5時の鐘の音で帰らなきゃいけないんだ
ふと、前に母親からそう言われたのを思い出した。
帰らなきゃ
そうは、思うけれど、如何せん帰り道がわからない。
私は歩き疲れて、近くのブランコに腰を下ろす。
キーコ、キーコ
軽くブランコをこぐたびに、公園内にその音が鳴り響いた。
お腹すいた…
いつもなら、そろそろお母さんがご飯の用意をし始める時間帯。
私は軽くため息をついて、公園内を改めて見回してみる。