好きだなんて言わなければよかった【完】



すると、私がいるブランコの近くの公園の入り口に大人の男の人の姿が見えた。



その人は、私の姿を見つけると、ゆっくりと私がいるブランコの方へと近づいてくる。




「お嬢ちゃん?どうしたの、こんなところで…もう暗くなるよ?」




「…さあや、帰り道わかわなくなっちゃったの…」




優しい口調で話しかけてくれたのは、見た目的に30代くらいのおじさんだった。



私も、ようやく現れた大人の人に安心して、ついポロリと本音を漏らしてしまう。




一瞬、男の人の顔がニヤリと微笑んだように見えた。



「そっかぁ~。それは怖かったよね」



「…うん」



「じゃあ、紗綾ちゃん、おじさんが紗綾ちゃんの家まで送ってあげようね」




「ほんとうに?」










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