好きだなんて言わなければよかった【完】
曖昧な笑みを浮かべ、切なげに視線をそらす慎也さんに胸が痛む。
でも、それでも、私が出した答えは…
「…わたし、捨てられないんです。どうしても…」
“真生くんを好きだっていう気持ちを”
「うん。わかってる…今日はありがとう。きちんと返事してくれて嬉しかった」
「…私も、嬉しかったです」
いつも正直にストレートに気持ちをぶつけてきてくれた。
悩んでいるとき支えてくれた。
そんな存在が小夜子以外にできるなんて思わなかった。
…きっと、この公園につれてきてくれたのも、偶然なんかじゃない。