好きだなんて言わなければよかった【完】
*失恋<慎也side>
慎也side
「…っ、やっぱりかなわねーな」
紗綾ちゃんがいなくなった後、公園のベンチにオレはゆっくりと座り込む。
なんとなくわかってたことだけど、結構辛いわ。
失恋なんてはじめての経験で少々戸惑いを隠せないオレ。
それに、さっきは、紗綾ちゃんの手前、あんなこと言ったけど、本音をいえば、まだ、諦められていない。
オレって案外未練がましいな…。
そんな、今まで知らなかった自分の一面に思わず、笑みがこぼれた。
すぐには、忘れられそうにないけれど、早くいい思い出になるといい。
けど、とりあえずは、
真生、今度泣かせたらマジ奪うからな!!
この一言だけは、アイツに言ってやらなきゃと、心の中でそう思った。
慎也side*end*